漫画家・竹谷州史のブログです。
Posted by 竹谷州史(たけやしゅうじ) - 2009.12.24,Thu
テレビをまともに見なくなって久しいのですが、
年末のスペシャルで「笑ってコラえて」という番組を見ました。
カメラ片手に田舎の村へ行く企画で馴染み深いやつです。
年の瀬はその年の傑作な村人さん映像から
選りすぐりのコーナーがあるのが恒例で、
毎年、縁があれば、見られて嬉しい番組です。
田舎のご老人や素朴な少年少女を見ることができる、
とうのがこのコーナーのキモだと思うんですが、
今年、運良く拝見できて、しみじみ思ったのは、
ご老人、シモとか色事のお話をされていることが多いんですね。
それか、寿命のお話。
カメラの前ですから、サービス精神もあるでしょうし、
番組の編集上、多くなっただけなのかもしれませんけども。
いわゆるエロスとタナトスというやつか、
やはり人間、このへんの話は根源的に面白いのだよなあ。
きっと。
なんて。
いや、たぶん当たり前のことなんでしょうけど。
年末のスペシャルで「笑ってコラえて」という番組を見ました。
カメラ片手に田舎の村へ行く企画で馴染み深いやつです。
年の瀬はその年の傑作な村人さん映像から
選りすぐりのコーナーがあるのが恒例で、
毎年、縁があれば、見られて嬉しい番組です。
田舎のご老人や素朴な少年少女を見ることができる、
とうのがこのコーナーのキモだと思うんですが、
今年、運良く拝見できて、しみじみ思ったのは、
ご老人、シモとか色事のお話をされていることが多いんですね。
それか、寿命のお話。
カメラの前ですから、サービス精神もあるでしょうし、
番組の編集上、多くなっただけなのかもしれませんけども。
いわゆるエロスとタナトスというやつか、
やはり人間、このへんの話は根源的に面白いのだよなあ。
きっと。
なんて。
いや、たぶん当たり前のことなんでしょうけど。
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Posted by 竹谷州史(たけやしゅうじ) - 2009.12.17,Thu
気付けばもう今年は終わりです。
子供の頃はわくわく過ごしていましたが、
おっさんになった最近は年が終わるくらいの事で
どきどきしたりしません。
忙しく過ごしている内に、いつもと同じように、
年は暮れていくからです。
でも、
やはりちょっとはどきどきしているな、と
今、書いていて思いました。
少し寒く、
少し落ち着かない、
例の感じです。
TVも見ていませんし、
街にも出ていませんが、
自然と心が冬の感覚をもってくると、
おー、来たな冬、冬ってぇと暮れだよな。
という気持ちになってくるのかもしれません。
12月までの冬と、1月からの冬は、
なにか違いますよね、やはり。
子供の頃はわくわく過ごしていましたが、
おっさんになった最近は年が終わるくらいの事で
どきどきしたりしません。
忙しく過ごしている内に、いつもと同じように、
年は暮れていくからです。
でも、
やはりちょっとはどきどきしているな、と
今、書いていて思いました。
少し寒く、
少し落ち着かない、
例の感じです。
TVも見ていませんし、
街にも出ていませんが、
自然と心が冬の感覚をもってくると、
おー、来たな冬、冬ってぇと暮れだよな。
という気持ちになってくるのかもしれません。
12月までの冬と、1月からの冬は、
なにか違いますよね、やはり。
Posted by 竹谷州史(たけやしゅうじ) - 2009.12.02,Wed
ほんひひは。
ひょうは、はいひゃべ、おやひはぶを、ふひはひは。
まふいの、おかげべ、ひはみは、なかっぱべふ。
親知らずをぬきました。
傷口は糸で縫い、翌日に消毒にも出向いた。
一週間後に抜糸する予定で、
化膿止めと痛み止めをもらい、化膿止めの抗生物質は5日分しっかり
飲み続けるようにいわれた。
歯科医の腕がよかったせいか、
驚くほどにすんなり抜けて、出血もなかった。
ただ、抜いたのは上の歯だったために、
上あごの奥歯のあたりを通っている、鼻腔と隣り合わせの肉が、
薄く、無防備になったので、
これに肉と骨が、自然とついてくるまでは、
鼻に力をいれぬよう、いわれた。
具体的には、鼻をかんだりすると、
鼻の肉が破れ、口とつながってしまうぞ、ということであった。
そうすると、雨もりのように、鼻水が口の中にたれてしまうではないか。
いや、それは大げさだとしても、
裂傷が化膿し蓄膿症にでもなれば、大変だぞ、と言われた。
なにかもう、すごく、怖かったので、
鼻やら口やらにちょっとでも圧がかかるたび、
びくびくしている。
ひょうは、はいひゃべ、おやひはぶを、ふひはひは。
まふいの、おかげべ、ひはみは、なかっぱべふ。
親知らずをぬきました。
傷口は糸で縫い、翌日に消毒にも出向いた。
一週間後に抜糸する予定で、
化膿止めと痛み止めをもらい、化膿止めの抗生物質は5日分しっかり
飲み続けるようにいわれた。
歯科医の腕がよかったせいか、
驚くほどにすんなり抜けて、出血もなかった。
ただ、抜いたのは上の歯だったために、
上あごの奥歯のあたりを通っている、鼻腔と隣り合わせの肉が、
薄く、無防備になったので、
これに肉と骨が、自然とついてくるまでは、
鼻に力をいれぬよう、いわれた。
具体的には、鼻をかんだりすると、
鼻の肉が破れ、口とつながってしまうぞ、ということであった。
そうすると、雨もりのように、鼻水が口の中にたれてしまうではないか。
いや、それは大げさだとしても、
裂傷が化膿し蓄膿症にでもなれば、大変だぞ、と言われた。
なにかもう、すごく、怖かったので、
鼻やら口やらにちょっとでも圧がかかるたび、
びくびくしている。
Posted by 竹谷州史(たけやしゅうじ) - 2009.11.25,Wed
かみさんと散歩している途中、路上に落ちている鍵を見つけた。
もうすでに帰路であり、交番は坂の上にあり、
持ち主が道々を探して、戻ってくるかも知れぬので、
おいておこう、と私は思ったが、
かみさんは落し物を届けるのは生涯で初めてだと言うので
交番まで届ける事にした。
私はといえば、かつて子供の頃、財布を拾って届けた事がある。
その財布はおそらく捨てられた物か、
もしくはとうの昔に別の者に拾われ中身を抜かれた物か、
ぼろぼろの空の財布であった。
しかし、子供というのは、はた迷惑な正義感を持っているもので、
それを、交番に届けた。
交番の警官がどんな対応であったかは忘れたが、
「おー、よしよし、良い子だねえ」
といった感じで、褒めてくれたような気がする。
その頃、母方の祖父母の家で暮らしていた私は、
帰宅後、祖母に財布を拾った顛末を鼻息荒く伝えた。
祖母は驚いて、私を褒めた後、
「落とした人は喜んだだろうねえ、で、いくら入っていたの?」
と言った。
実際は「0円」なのだが、それを言ってしまったら
「ゴミ同然の財布を交番に届けて無理やり褒めてもらった」
という、本当のことがばれてしまうので、
「じ……10万円……。」
とウソを答えた。
祖母はさらに驚いて去っていった。
子供にとって10万円にリアリティなどない。
1万円も1兆円も1億万兆円も同じである。
うそ寒~い気持ちで夕飯を待っていると、
母方の祖母は、かくしゃくとした、しっかり物なので、
案の定、交番に問い合わせたらしく、
ウソは瞬時にばれてしまった。
「なぜこの子はつかないでいいウソをつくかねえ」
と言われたような気がする。
久しぶりに訪れた交番は私の故郷の交番の印象と、さほど変わらず、
2人の警官に対応された。
その中年の男性は、いわゆる警官の印象の格好ではなく、
白髪にキャップ、作業員のようなジャケットの胸元に、
交番相談員、と書かれたワッペンが縫い付けてあった。
唯一胸ポケットから肩へのびた無線機のらせん状のコードが
警官らしいといえばらしい。
落とした場所を大判の地図で確認した後、
住所や氏名などの書類に記入するための質問にいくつか答えた。
「車ですかねえ?家ですかねえ?」という話題になった。
ひろった鍵はブランド物のキーカバーにひとつだけ付属していて
鍵の重要度をしめしているように思えた。
警官は鍵に刻印されたメーカー名を見て、「こりゃ家だね」と言った。
持ち主が現れた際に、報酬を貰いたいか、
また、その際に、持ち主に住所を教えてもよいか、という質問をされ、
その一切を拒否する旨を伝えて、交番を去った。
清く正しいねえ、などとかみさんにからかわれたが、
私は、こんなことで恩を返されたり、
こんなことから始まる人間関係が、うまくいくはずがないからだ、と答えた。
なにか頭の中で、
こんなきっかけで知り合った二つの家族が
最初は煩わしいながらも好意的に接していくうち、徐々にほころびていき、
妙な宗教や、サークル活動に誘われたあげく、決定的に断絶する、
といった架空の物語がむくむくと進行していた。
どうも、警官に「お礼を要求しますか?」と質問された時に
自分の子供の頃の、浅ましい虚栄心を見透かされたような
気がしたのだろう。
かみさんは、はじめての交番を、それなりに楽しんだようで、
軽い足取りで帰路の坂道を降りていった。
もうすでに帰路であり、交番は坂の上にあり、
持ち主が道々を探して、戻ってくるかも知れぬので、
おいておこう、と私は思ったが、
かみさんは落し物を届けるのは生涯で初めてだと言うので
交番まで届ける事にした。
私はといえば、かつて子供の頃、財布を拾って届けた事がある。
その財布はおそらく捨てられた物か、
もしくはとうの昔に別の者に拾われ中身を抜かれた物か、
ぼろぼろの空の財布であった。
しかし、子供というのは、はた迷惑な正義感を持っているもので、
それを、交番に届けた。
交番の警官がどんな対応であったかは忘れたが、
「おー、よしよし、良い子だねえ」
といった感じで、褒めてくれたような気がする。
その頃、母方の祖父母の家で暮らしていた私は、
帰宅後、祖母に財布を拾った顛末を鼻息荒く伝えた。
祖母は驚いて、私を褒めた後、
「落とした人は喜んだだろうねえ、で、いくら入っていたの?」
と言った。
実際は「0円」なのだが、それを言ってしまったら
「ゴミ同然の財布を交番に届けて無理やり褒めてもらった」
という、本当のことがばれてしまうので、
「じ……10万円……。」
とウソを答えた。
祖母はさらに驚いて去っていった。
子供にとって10万円にリアリティなどない。
1万円も1兆円も1億万兆円も同じである。
うそ寒~い気持ちで夕飯を待っていると、
母方の祖母は、かくしゃくとした、しっかり物なので、
案の定、交番に問い合わせたらしく、
ウソは瞬時にばれてしまった。
「なぜこの子はつかないでいいウソをつくかねえ」
と言われたような気がする。
久しぶりに訪れた交番は私の故郷の交番の印象と、さほど変わらず、
2人の警官に対応された。
その中年の男性は、いわゆる警官の印象の格好ではなく、
白髪にキャップ、作業員のようなジャケットの胸元に、
交番相談員、と書かれたワッペンが縫い付けてあった。
唯一胸ポケットから肩へのびた無線機のらせん状のコードが
警官らしいといえばらしい。
落とした場所を大判の地図で確認した後、
住所や氏名などの書類に記入するための質問にいくつか答えた。
「車ですかねえ?家ですかねえ?」という話題になった。
ひろった鍵はブランド物のキーカバーにひとつだけ付属していて
鍵の重要度をしめしているように思えた。
警官は鍵に刻印されたメーカー名を見て、「こりゃ家だね」と言った。
持ち主が現れた際に、報酬を貰いたいか、
また、その際に、持ち主に住所を教えてもよいか、という質問をされ、
その一切を拒否する旨を伝えて、交番を去った。
清く正しいねえ、などとかみさんにからかわれたが、
私は、こんなことで恩を返されたり、
こんなことから始まる人間関係が、うまくいくはずがないからだ、と答えた。
なにか頭の中で、
こんなきっかけで知り合った二つの家族が
最初は煩わしいながらも好意的に接していくうち、徐々にほころびていき、
妙な宗教や、サークル活動に誘われたあげく、決定的に断絶する、
といった架空の物語がむくむくと進行していた。
どうも、警官に「お礼を要求しますか?」と質問された時に
自分の子供の頃の、浅ましい虚栄心を見透かされたような
気がしたのだろう。
かみさんは、はじめての交番を、それなりに楽しんだようで、
軽い足取りで帰路の坂道を降りていった。
Posted by 竹谷州史(たけやしゅうじ) - 2009.11.19,Thu
最近の私は仕事中にがちがちガムを噛んでおり、
そのせいか、
奥の銀歯が取れてしまったので、歯医者に行く。
この銀歯は忘れた頃に取れる困ったやつで、
作り直すほどには取れやすくもない。
銀歯はすぐに接着されるが、別の小さな虫歯が見つかり、
そのたびに私は歯医者にしばらく通う。
どういうわけか、冬場が多く、当初の決意は寒さに負けて、
通いをやめてしまう。その繰り返しである。
歯医者の受付の女性に、「ご予約は何時に?」と聞かれるが、
職業柄、ほぼ、制約はないわけで、
「いつでも、かまわないのですが……。」と答えるのだが、
受付の女性に、おあいその笑顔の裏で
「げっ、このおっさん無職?キモっ」と
思われているような気がして気が引ける。
いや、この商売、買い手がなければ、確かに、
本質的にはほぼ無職といっていいようなものなのだが、
「いやいやいや、違うんだ、待ってくれ、」とも言えず、黙っている。
ともかく、
この銀歯は、私に定期的に歯医者にくよう、促しているわけで、
感謝すべきなのかもしれない。
そのせいか、
奥の銀歯が取れてしまったので、歯医者に行く。
この銀歯は忘れた頃に取れる困ったやつで、
作り直すほどには取れやすくもない。
銀歯はすぐに接着されるが、別の小さな虫歯が見つかり、
そのたびに私は歯医者にしばらく通う。
どういうわけか、冬場が多く、当初の決意は寒さに負けて、
通いをやめてしまう。その繰り返しである。
歯医者の受付の女性に、「ご予約は何時に?」と聞かれるが、
職業柄、ほぼ、制約はないわけで、
「いつでも、かまわないのですが……。」と答えるのだが、
受付の女性に、おあいその笑顔の裏で
「げっ、このおっさん無職?キモっ」と
思われているような気がして気が引ける。
いや、この商売、買い手がなければ、確かに、
本質的にはほぼ無職といっていいようなものなのだが、
「いやいやいや、違うんだ、待ってくれ、」とも言えず、黙っている。
ともかく、
この銀歯は、私に定期的に歯医者にくよう、促しているわけで、
感謝すべきなのかもしれない。
プロフィール
HN:
竹谷州史(たけやしゅうじ)
性別:
男性
職業:
漫画家
自己紹介:
岩手県盛岡在住の漫画家。
最新作「災厄乙女パン子」(月刊日ヒーローズ)。
最近は主にツイッターが中心。
既刊「Smoking Gun民間科捜研調査員流田縁」(グランドジャンプ)「拝金」(コミックゼノン)「紅蓮の花真田幸村」(コミックバンチ)「まっしろけ」「astral project月の光」「皆殺しのマリア」「LAZREZ」「PLANET7」(以上コミックビーム)など。
おしごと募集中。
最新作「災厄乙女パン子」(月刊日ヒーローズ)。
最近は主にツイッターが中心。
既刊「Smoking Gun民間科捜研調査員流田縁」(グランドジャンプ)「拝金」(コミックゼノン)「紅蓮の花真田幸村」(コミックバンチ)「まっしろけ」「astral project月の光」「皆殺しのマリア」「LAZREZ」「PLANET7」(以上コミックビーム)など。
おしごと募集中。
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